人は空腹感を我慢すると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、空腹に対する我慢の仕方や空腹感が消える方法を紹介するだけでなく、腹痛や吐き気など健康にどのような影響を及ぼすのか、さらに、人はどのくらいの期間空腹に耐えることができるのかなどについて解説していきます。
空腹感を我慢するメリットとデメリットは?健康への影響なども解説!
ダイエットをしていると空腹状態になっていることが多いため、お腹が減って我慢できなくなることも少なくありません。
痩せるためには空腹を我慢するしかありませんが、本当に空腹は我慢した方がよいのでしょうか?
結論から申し上げると、空腹を我慢するとメリットよりもデメリットの方が大きいためおすすめしません。詳しく解説していきます。
空腹を我慢するメリット
空腹の状態は、満腹状態よりも多くの成長ホルモンが分泌されます。そのため美容目的であれば、に空腹状態を維持させることには多くのメリットがあります。
そのメリットとは、
- 血糖値が下がってインスリンの出る量が減る
- 記憶力の向上
- 病気にかかりにくくなる
です。
このように、我慢して空腹状態を維持すれば血糖値が下がってインスリンの出る量が減り、記憶に必要な脳内のタンパク質が活性化して記憶力が向上します。また、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子が活発に働いて病気にかかりにくくなるといったメリットがあります。
ちなみに、食べ過ぎると胃腸に長時間血液が集中したことで他の器官への血液供給量が減ってしまい、それが原因でさまざまな健康状態を悪化させ、結果として病気を誘発してしまう可能性があります。
空腹状態を我慢することは美容・健康には色々なメリットがありますが、ダイエットに関してはメリットよりデメリットの方が多いのです。
空腹状態を維持すれば、カロリーの摂取を抑えられます。また、空腹を我慢し続けていると、それまで我慢できないぐらい感じていた空腹感がどんどん薄れていき、なぜかお腹が空かなくなってきます。
そのため、空腹を我慢するようにした方が、ダイエットにもメリットがあるような気がしますが、実は空腹を我慢してお腹が空かなくなった状態は、ダイエットをするにはあまりよくない状態なのです。
空腹を我慢するデメリット
「ダイエットのためには空腹を我慢した方がよい」、「ダイエット中にお腹がすくのは仕方がないことだと」などと思っている方は多いでしょう。
しかし空腹を我慢することは、ダイエットにデメリットとなる行為になります。
空腹を我慢するデメリットについてお話しします。
デメリット① からだが痩せにくく太りやすくなる
空腹状態を我慢すると、血糖値が下がってインスリンの出る量が減り記憶に必要な脳内のタンパク質が活性化し、記憶力が向上したり、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子が活発に働くようになります。
一方で、低血糖状態が続いたことで、からだは生命活動の危機を感じ、いつもより糖質や脂質をしっかり吸収するようになるとともに、エネルギー補給のために筋肉を分解してエネルギーを補うようになります。空腹を我慢し続けているとお腹が空かなくなってくるのはそのためです。
お腹が空かなくなれば、空腹が我慢できずについつい食べてしまうということにはならないですから、ダイエットをしているときにはぴったりの状態だと思うかもしれませんが、その状態のからだは、痩せにくく太りやすいというダイエットには不向きな状態です。
しかも、そうした状態のままでいると、足りないエネルギーを補うために筋肉がどんどん分解されていき、日常的な生活をするのに必要な筋肉まで失われてしまうというデメリットが発生してしまいます。さらに、健康状態の悪化も引き起こしかねませんので注意が必要です。
ストレスが溜まる
食事をすると幸せな気持ちになりますが、空腹を我慢するということは、食事をした時に感じる幸せを我慢するということでもあります。そのため空腹を我慢し続けていると、ストレスが溜まってきます。
強いストレスが溜まった状態が続くと、血流が悪くなるなどして代謝が低下します。そうしたことで、からだはさらに痩せにくくなってしまいます。またストレスを感じ続けることは精神的にもよくありません。
空腹を我慢するダイエットを続けていたことによる過度のストレスで、過食症や拒食症などになってしまうというデメリットが発生してしまいます。
便秘になる
空腹になっているのに我慢していると、胃や腸などの消化管の動きが悪くなり、便秘になりやすくなります。
便秘はさまざまな健康状態の悪化を招きます。具体的には、代謝の悪化を招いてからだをさらに痩せにくくしてしまいます。空腹を我慢するダイエットを続けている限り、便秘は改善されません。そうなると老廃物や毒素が体内に蓄積していき、美容や健康にもデメリットが出てきます。
空腹を我慢しないほうがよい!おすすめの空腹対処法は?
空腹を我慢していると、からだはダイエットには不向きな痩せにくく太りやすい状態になってしまいます。
空腹を我慢することによるメリットもありますが、健康面やダイエットのことを考えたらデメリットの方が大きいですから、我慢するのではなく、別の方法で空腹に対処した方がよいです。
その別の方法とは「何かを食べる」ということです。ダイエットしているのに何か食べたら意味ないと思われる方もいるでしょう。しかし、空腹を我慢し続けていると、ダイエットしても痩せないからだになってしまいます。
そのため、効率よくダイエットするためには、食事を我慢するという方法ではなく、きちんと食事をしてダイエットした方がよいのです。
空腹を感じないようにダイエットする方法とは?
空腹が我慢できない状態にならないためには、食事をしながらのダイエットをした方がよいですが、ダイエットするためには、消費カロリーを摂取カロリーが超えないようにしなければなりません。そうすると食べれる量が減ってしまうため、食事をしながらダイエットしていても、空腹が我慢できなくなることもあります。
しかも、お腹を空いた状態で食事をすることになるので、ついつい食べ過ぎてしまうかもしれません。そうなると摂取カロリーの方が多くなってしまう可能性がありますから、空腹を感じた時には、何かを口にした方がよいでしょう。
しかし、何でも好きな物を食べてお腹が空く度に食べていたら当然ダイエットができるわけがありません。それでは、空腹感を抑えるためには、何を食べればよいのでしょうか。
空腹が我慢できない場合のおすすめは炭水化物?
炭水化物を食べると血糖値が急上昇するので、ちょっとの量で満腹感が得られます。しかし食べ過ぎはよくありません。
炭水化物は糖質となるので、食べ過ぎるとダイエットの妨げになってしまいます。また、炭水化物をたくさん食べると血糖値が急上昇してしまい、上がった血糖値を下げるためにインスリンの大量分泌が起こって血糖値が急下降するため、すぐにお腹が空いてしまいます。
空腹を感じたときに少しの量の炭水化物を食べる方法にすれば、血糖値の急上昇や急下降は起こらず、空腹を感じない状態を長時間維持できます。
しっかり噛まないと食べられない物もおすすめ?
スルメやガムのような、しっかりと噛まないと食べられない物や、何度も咀嚼する口の中の滞在時間が長い食べ物は、少量でも満腹感が得られるので、空腹を感じたときに食べるのにぴったりです。
また、大根やゴボウなどの根菜類も何度も噛まないと食べられないのですし、食べ過ぎてもカロリーオーバーになる心配はあまりないので、空腹を感じたときに口にするのにおすすめです。
早食いはすぐにお腹が空くのでやめよう!
すぐに空腹にならないようにするためには、食事のときにしっかりと時間をかけて噛むようにする必要があります。
しっかり噛まない早食いは食事量が増えやすいことに加え、食事をしても満腹中枢あまり刺激されなかったことで満腹感が持続しません。そのため、脳がすぐに空腹を感じてしまいます。
食事をしたのにすぐにお腹が空くという方は、食事の時にしっかり噛みながら時間をかけて食事をするようにしてみましょう。
寝る前に空腹を感じた時の対処方法とは?
ダイエットしている方が、とくに空腹を感じるのが寝る前です。ダイエットのことを考えたら、就寝する1~2時間前に何かを食べるのはよいことではありません。
しかし、空腹を我慢した状態では眠れないですし、空腹を我慢した状態があまり続くのもダイエットにはあまりよくはありません。
そこで寝る前に空腹を感じないようにするための方法や、寝る前に空腹が我慢できなくなった時の対処方法をお話しします。
夕食の時間を遅くする
夜遅くまで仕事や用事があるという方は、寝る時間が遅くなってしまいます。寝る時間が遅いと、寝る前ごろには夕食で食べた物が消化されてきて、胃の中が空っぽになってくるので空腹を感じてしまいます。
ダイエットのためには、あまり遅い時間に夕食を食べない方がよいですが、夜遅くまで仕事や用事があって寝る時間が遅いという方は、夕食を食べる時間を遅くしてみましょう。
ただし、夜にはやく寝れる方は夕食を遅くするのではなく、夜更かしはせず、夕食で食べた物が消化されてきて空腹を感じるようになる前にはやく寝るようにしましょう。睡眠時間をたっぷりとることで健康や美容効果も得られます。
夕食後にハードな運動をしないこと
ダイエットのためには運動も必要です。食事制限に加えて、運動も行えばダイエットの効果はかなり上昇します。
しかし、運動をすると体内の糖質をエネルギーとして消費するため、血糖値が下がってきて空腹を感じるようになります。そのため夕食後にハードな運動をすると、当然寝る前ごろにお腹が空いてきて、空腹が我慢できなくて寝られないといったことになってしまいます。
ハードな運動だと消費するエネルギーが多いため、運動後に何かを食べて、失われたエネルギーをある程度補う必要があります。そのため運動後に食事によるエネルギー供給はあまりしない方がよい夜は、あまりハードな運動はしないようにして、運動をするのであれば軽めの運動にしておきましょう。
軽めな運動であれば消費されるエネルギーは少なく糖質もあまり消費されないので、血糖値がいっきに下がったりしませんから、寝る前にお腹が空いて我慢できないということにはならないでしょう。
寝る前に空腹が我慢できなくなった時の対処法は?
寝る前に空腹が我慢できなくて眠れない。そんな時には水分を摂ることで、空腹感を抑えることができます。
暑い夏なら水でもよいですが、おすすめは白湯です。温かい白湯の方が胃腸が温まるので、より満腹効果が得られますし、身体が温まるので入眠効果も期待できます。
白湯を飲むときには、一気にがぶ飲みするのではなく、こまめに少量ずつを時間をかけて飲むのがポイントです。
空腹を我慢し過ぎて眠気が完全に覚めてしまったという方はホットミルクでもよいでしょう。牛乳には安眠効果があるので、白湯を飲むより入眠しやすくなります。
まとめ
食事制限や運動によるダイエットを行っていると、どうしてもお腹が空いてきます。
しかし空腹を我慢し続けることは、ダイエットにはメリットよりデメリットの方が多いですから、お腹が空いて我慢できないときには、「我慢」ではなく「食べる」ようにしましょう。
空腹にどう対処してダイエットするかが、ダイエットをするのときには重要です。
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